アドバンストナース
当院では、専門看護師・認定看護師をアドバンストナースとよびます。
アドバンストナースは、病院および看護部の理念・目標にもとづき、患者さんに質の高い看護を提供するために、所属部署や院内横断活動を行うチームにおいて、専門性を活かした高度な看護を実践するとともに、看護職員の教育・支援にもいろいろな形で携わっています。また、院外の看護職員を対象とした公開セミナーの開催等の社会貢献活動を行うとともに、研究活動や自己研鑽に励み、当院の看護職員のモデルとなるよう努めています。
専門看護師
特定の専門看護分野において卓越した看護実践能力を有すると認められた看護師であり、各分野で、実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の役割を担って活動しています。
当院では 11 名の専門看護師が活動しています。(2024 年 4 月時点)
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がん看護
専門看護師がん看護専門看護師活動人数:5 人(2024 年 4 月時点)2 人に 1 人ががんになる時代。がん治療も日々進歩する中で、がん看護専門看護師は、それぞれの得意の分野で専門性を発揮し、がんとともに歩む患者さん・ご家族の伴走者としてお手伝いします。 時には診断前から、時には治療中止後の療養の場の選択など、様々な場面において、患者さんとの会話を大切にし、適切な支援を提供します。 外来・病棟・管理部門に所属し、緩和ケアチームやがん看護サポートチームのメンバーとして、医師、多職種専門チーム等と協働し、活動しています。 個々の患者さんやご家族のニーズに合わせて、身体症状の管理、生活指導のほか、精神的支援や生活しながら治療を受けられるよう支援を行います。
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小児看護
専門看護師小児看護専門看護師活動人数:4 人(2024 年 4 月時点)小児看護専門看護師は、生れる前から思春期までのあらゆる成長・発達段階、高度先進医療を必要とする急性期から慢性期・回復期などのあらゆる健康レベルの子どもと家族、また、親やきょうだいが病気である子どもの支援を行っています。複雑な問題を抱える子どもと家族のニーズを把握して、効果的かつ質の高い看護を提供することが私たちの役割です。 私たち小児看護専門看護師は、医療を受ける子どもと家族がその権利が守られること、健やかに成長・発達してゆけること、そして笑顔でいられる未来を目指しています。 小児の外来や病棟などに所属し、子どもと家族を支えるチームの一員として日々活動しています。
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精神看護
専門看護師精神看護専門看護師活動人数:2 人(2024 年 4 月時点)精神看護専門看護師は、精神疾患で治療中の患者さんや、身体疾患の治療過程で精神科的なお困り事が生じた患者さんを対象として、全科を通じて横断的に活動しています。 リエゾンの介入依頼内容は、せん妄、不穏、不眠、抑うつ状態、希死念慮、移植医療に先立つ精神評価など様々ですが、ケースやニーズに合わせて、直接的ケアや間接的ケア、倫理調整や精神科的専門知識やスキルの共有、チーム医療を推進するためのコーディネートなどを行っています。 患者さんごとに最適な治療・ケアを模索し、尽力されるスタッフの皆様の毎日もスムーズに進みますように、多部署や多職種と協働して、精神看護の力を生かしたサポートの提供を目指しています。
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慢性疾患看護
専門看護師慢性疾患看護専門看護師活動人数:1 人(2024 年 4 月時点)
認定看護師
特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有すると認められた看護師であり、各分野で実践・指導・相談の役割を担って活動しています。
当院では 34 名の認定看護師が活動しています。(2024 年 4 月時点)
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感染管理
認定看護師感染管理認定看護師活動人数:4 人(2024 年 4 月時点)昨今話題となっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と密接に関連しており、現在一番HOT な認定看護分野です。 私たちは感染制御チーム(ICT)の一員として、患者さんには感染の危険の無い安心・安全・清潔な療養環境を、職員には安心して働ける環境を提供するために、組織横断的な活動をしています。 院内で感染事例が生じた際に早急に現場に出動し現場スタッフと共に対応を講じるのはもちろん、感染を未然に防ぐために平時の状況把握、対策の確認や、わかりやすく感染対策を伝えるためのマニュアル・動画作成、指導・教育なども行っています。 現場スタッフからも気軽に相談できる雰囲気で、現場と一体となって日々病院感染対策に取り組んでいます。
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皮膚・排泄ケア
認定看護師皮膚・排泄ケア認定看護師活動人数:4 人(2024 年 4 月時点)皮膚・排泄ケア認定看護師とは、創傷ケアやストーマケア、失禁ケアを専門分野とする看護師です。 健康な皮膚を維持するためのスキンケアは、健康を害した患者さんだけでなくすべての人に共通する看護の基本です。また、排泄は人間の基本的ニーズの一つであり、排泄障害は精神的苦痛だけでなく社会生活を制限し、QOL に大きく影響します。 そのため、私達は「皮膚・排泄領域」における熟練した看護技術を用いて水準の高い実践を常に意識しながら、患者さんの苦痛を取り除くだけでなく尊厳を保ち、生きる意欲、その人らしさを取り戻すことができるよう支援しています。
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救急看護
認定看護師救急看護認定看護師活動人数:1 人(2024 年 4 月時点)現在、救命救急センターに配属されており、集中ケア認定看護師、クリティカルケア認定看護師と協力し、活動しています。急性期や回復期、終末期など様々な病態の患者さんとそのご家族に対 し、1 日も早い日常生活への復帰だけでなく、ICU という環境下であっても、その人らしい時間が過ごせるような身体的・精神的ケアの実践に取り組んでいます。 急性期では、生命維持に欠かせない人工呼吸器や ECMO などの医療機器の管理も重要になってくるため、勉強会などを定期的に行い、スタッフの知識・技術向上に努めています。 また、一般病棟での人工呼吸器管理や患者さんへのケアに関する勉強会、その後のフォローなどを、RST の活動とも連携しながら実施しています。
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集中ケア
認定看護師集中ケア認定看護師活動人数:1 人(2024 年 4 月時点)現在、主に ICU や救命救急センターに配属されており、集中ケア 2 名のほかに、救急看護認定看護師、クリティカルケア認定看護師と協力し活動しています。 急性期や回復期、終末期など様々な病態の患者さんとそのご家族に対し、1 日も早い日常生活への復帰だけでなく、ICU という環境下であっても、その人らしい時間が過ごせるような身体的・精神的ケアの実践に取り組んでいます。 急性期では、生命維持に欠かせない人工呼吸器や ECMO などの医療機器の管理も重要になってくるため、勉強会などを定期的に行い、スタッフの知識・技術向上に努めています。 また、一般病棟での人工呼吸器管理や患者さんへのケアに関する勉強会、その後のフォローなどを、RST の活動とも連携しながら実施しています。
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クリティカルケア
認定看護師クリティカルケア認定看護師活動人数:3 人(2024 年 4 月時点)現在、主に ICU や救命救急センターに配属されており、クリティカルケア認定看護師 2 名のほかに、救急看護認定看護師、集中ケア認定看護師と協力し活動しています。 急性期や回復期、終末期など様々な病態の患者さんとそのご家族に対し、1 日も早い日常生活への復帰だけでなく、ICUという環境下であっても、その人らしい時間が過ごせるような身体的・精神的ケアの実践に取り組んでいます。 急性期では、生命維持に欠かせない人工呼吸器や ECMO などの医療機器の管理も重要になってくるため、勉強会などを定期的に行い、スタッフの知識・技術向上に努めています。 また、一般病棟での人工呼吸器管理や患者さんへのケアに関する勉強会、その後のフォローなどを、RST の活動とも連携しながら実施しています。
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手術看護
認定看護師手術看護認定看護師活動人数:3 人(2024 年 4 月時点)手術は患者さんにとって、一大イベントです。当院では、患者さんが安全で安心して手術を受けることができる手術看護の提供、多職種と協働し、各々が専門性を発揮したチーム医療を実践しています。 当院には手術看護認定看護師が 3 名います。私たちは、“手術を受ける患者さんに提供する看護はどうあるべきか”を深く追及する姿勢を持ち続けたいと考えています。認定看護師の役割は、実践・指導・相談です。倫理観に基づいた看護実践、相手の成長を願い愛情をもった後輩指導、患者にとって最良な看護をスタッフと共に見出す姿勢、以上を常に念頭に置きながら、手術看護認定看護師として、手術患者への周手術期ケアにまつわる活動を行っています。
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新生児
集中ケア
認定看護師新生児 集中ケア認定看護師活動人数:3 人(2024 年 4 月時点)私たちは、新生児集中ケア認定看護師として、NICU/GCU に入院するハイリスクな赤ちゃんの状態の安定化につとめ、障害なき成育や生理学的安定と成長発達を促すためのケアを行っています。 また新生児看護の質向上にも意欲的に取り組んでいます。 NICU/GCU はご両親が赤ちゃんを家族として迎え入れ、新たに家族の形を形成していく場です。 赤ちゃんが誕生した喜びと同時に、心配や不安が伴うご両親の思いに寄り添い、安心して赤ちゃんと向き合い、愛情を育み、親子の絆を深める場としての NICU・GCU でありたいと思っています。 現在、NICU に 2 名、GCU に 1 名配属されており、主に周産期・小児領域の専門・認定看護師や多職種と協働し赤ちゃんと家族にとっての最善を考え、日々活動しています。赤ちゃんと家族が安心して入院生活を送り、退院を迎えられるよう支援しています。
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不妊症看護
認定看護師不妊症看護認定看護師活動人数:1 人(2024 年 4 月時点)産科病棟に助産師として勤務しており、IVF センターと兼務しております。 当院では 2011 年から不妊相談室を設置し不妊治療をうけられるカップルへ、情報提供・治療の選択のアドバイスや日常生活の不安・悩みの相談をおこない、患者さんが自分らしく治療に向き合え自己決定がおこなえるようサポートをしています。 また、若年がんの患者さんが希望をもってがんの治療に取り組むために、生殖医療チームが先駆けとなり AYA 世代の妊孕性温存治療への支援体制づくりに検討を重ね、乳腺外科と産婦人科医師、乳がん看護認定看護師、不妊症看護認定看護師で連携し 2018 年より妊孕性温存外来を開設し患者支援をおこなっています。
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摂食・嚥下障害
認定看護師摂食・嚥下障害認定看護師 -
認知症看護
認定看護師認知症看護認定看護師活動人数:2 人(2024 年 4 月時点)2025 年には高齢者の 5 人に 1 人が認知症となり、入院患者さんの認知症有病率も増加しています。 わたしたちは、医療者や家族、地域と協力して、患者さんが最適な医療・看護を安心・安全に受けられるために、生活歴・個人史から療養環境や過ごし方を検討したり、今までできていたことはできるように整え、できないことはさりげなく援助し、患者さんが上手く伝えられないことを推察して代弁したり、理解できるように工夫したりしながら退院後のことも考え支援しています。 院内では病棟に所属し、自部署や週 1 回のチームラウンドを通して認知症看護の実践・指導・相談を行い、患者さんの笑顔を励みに、患者さんの意思を尊重し、患者さんの力を信じ、その力が引き出せるように活動しています。
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慢性心不全看護
認定看護師慢性心不全看護認定看護師活動人数:1 人(2024 年 4 月時点)" 心不全 ” とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。循環器疾患を持つ方は全て心不全患者、という考え方に基づき、患者家族のケアを行っています。 現在および予測される状態をアセスメントし、様々な専門職と協力しながら患者さんが生活の質、人生の質を保ちながら過ごすためのお手伝いをしています。 どのような人生を送りたいか、治療法をどう選択するかの意思決定支援も行います。 写真は心臓リハビリテーションの場面です。入院から外来まで、生活を整える方法や運動療法の指導を行っています。
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呼吸器疾患看護
認定看護師呼吸器疾患看護認定看護師活動人数:1 人(2024 年 4 月時点)慢性呼吸器疾患とは、主に COPD や気管支喘息、間質性肺炎などの慢性的な経過をたどる呼吸器疾患を指します。 このような呼吸器に疾患を抱えた患者さんは日常の中で呼吸困難を感じ、病状の悪化により入院となれば QOL が大きく低下している方もいます。そのような中で、少しでもその人らしく生活できるために、どのような援助が必要なのかを皆さんと一緒に考えて実践していきたいと考えています。 また、現在は RST(呼吸サポートチーム)の一員として院内の人工呼吸器使用中の患者さんのサポートを行っています。特に一般病棟で安全に安心して人工呼吸器管理が行えるように援助を行っています。
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糖尿病看護
認定看護師糖尿病看護認定看護師活動人数:1 人(2024 年 4 月時点)糖尿病と共に生活する人に、またそれを支える家族などに対し、糖尿病治療に前向きに、かつ糖尿病ではない方と変わらない生涯を送れるような支援ができるよう心掛けています。 当院には日本糖尿病療養指導士(看護師 20 名以上、その他の職種を合わせると 50 以上)も在籍しており、それらのスタッフらとも共同し、足外来や透析予防外来などの専門外来およびに様々な入院病棟・外来で皆さんの支援を行っています。医師とこれらの有資格者と連携し、チームで糖尿病教室や患者会の運営も行っています。また多岐にわたる最新の情報をメーリングリストを活用し、情報提供しています。
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がん化学
療法看護
認定看護師がん化学 療法看護認定看護師活動人数:1 人(2024 年 4 月時点)がんと診断され、化学療法を受ける患者さんの背景は様々です。学校に通う子どもたち、働き盛りの若者、子育て中の母親、父親、合併症をもつ高齢者。がん化学療法看護認定看護師は最新の知識、情報、技術を元に、安全かつ適正な治療が提供されるよう看護実践するとともに、学校に通うこと、仕事を続けること、子どもの成長を見守ること、その人らしく生活することを諦めることな く継続できるよう患者さんを支援することが役割です。 家族が、友人が、自分自身が抗がん剤投与することになったとき、何を知りたいか、何を知っていれば有益かに想像力を働かせ、大切な選択や意思決定の際に、自らをリソースとして活用してもらえるよう研鑽しています。
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緩和ケア
認定看護師緩和ケア認定看護師活動人数:2 人(2024 年 4 月時点)1 名は緩和ケアチームに、もう 1 名は外来に所属し、患者さんが抱える身体的・精神的な苦痛、家族ケアや療養環境の調整など社会的問題に対してサポートを行っています。 「病気と上手に付き合いながら、日常生活をその人らしく過ごせる」よう希望を支えることを大切にしています。 また、治療を継続していくには多職種・多部門の看護師の力が必要となります。がん看護に関する教育や情報発信や緩和ケア領域の看護実践を通して他の看護師へ指導・相談ができる身近な存在と なれるよう意識し、「相手を HAPPY に、そして自分も皆も HAPPY である」ことを目指して活動しております。
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がん性疼痛看護
認定看護師がん性疼痛看護認定看護師活動人数:1 人(2024 年 4 月時点)がん患者の多くは早期から痛みを経験し、その苦痛は日常生活や闘病意欲の低下に繋がります。そのため疼痛緩和は患者の QOL を向上させるために重要な役割を担っています。 痛みは、薬剤のみでは十分ではありません。身体的な痛みだけでなく、心理的、社会的、スピリチュアルな痛みがありそれぞれが影響し合って痛みが出現していることもまれではありません。 24 時間患者を看ている看護師こそが、疼痛マネジメントを行うことで、痛みの本質を理解することができ、疼痛緩和に繋がる第一歩と考えています。 がん患者やその家族の苦痛を全人的に捉え、その人らしさを大切にしながら苦痛緩和ができるよう日々多職種と協働しながら活動しています。
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乳がん看護
認定看護師乳がん看護認定看護師活動人数:2 人(2024 年 4 月時点)乳がん患者さんが治療を自己決定できるよう支援するとともに、乳がん治療の副作用について、情報提供およびセルフケア支援を行っております。また、治療によるボディイメージの変容に対する、心理的支援とケア方法について適宜提供を行っております。 リンパ浮腫のセルフケア支援および相談、セクシャリティに関する相談から、患者さんとその家族へ、生活の支援も行っております。
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小児救急看護
認定看護師小児救急看護認定看護師活動人数:1 人(2024 年 4 月時点)小児期の子どもと家族、子どもを取り巻く人々を対象に、プライマリ・ケアの場を中心とした医療・看護を提供しています。特定の疾患や緊急の場面をみる専門医療のみならず、幅広い子どもの健康問題に対応することが役割となります。 小児集中治療室(PICU)は、容易に「生命が脅かされた状態」になるハイリスク児が多く入院される場所です。 子どもは予備力に乏しく急変しやすいため、五感を駆使したフィジカルアセスメントの実践で、多くのスペシャリストと多職種連携をして高度医療に対応しています。 日々が子どもにとってかけがえのない時間であることを心に刻み、エンド オブ ライフケアを念頭に、プレパレーションや日常生活の援助、家族へのケアサポートを行っています。
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訪問看護
認定看護師訪問看護認定看護師活動人数:1 人(2024 年 4 月時点)新生児から高齢者まですべてが対象者であり、その人らしい生活へ移行できるよう、チームの一員として意思決定を支えています。 患者家族に対して、医学的判断、患者の思い、QOL、社会背景、地域のリソースなど多角的に捉え、専門的知見と裏付けに基づき、患者にとっての最善を共に考えられるよう支援をしています。 院内看護師や多職種からの相談を受け、チームの一員として、療養先や退院後の過ごし方について、病棟でのカンファレンスの参加や意思決定支援に携わっています。 また、在宅と医療機関をつなぎ、切れ目ないケアを提供するための橋渡し、連携の窓口として院内を横断的に活動しています。
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腎不全看護
認定看護師腎不全看護認定看護師活動人数:1 人(2024 年 4 月時点)
スペシャリストへの道
看護大学を卒業後、新卒看護師として東大病院に就職し、最初にICUに配属となりました。4年半勤務後にローテーションで神経内科・呼吸器内科病棟へ異動しました。その後、2017年に認定看護師教育課程を受講し、2018年に慢性呼吸器疾患看護認定看護師の資格を取得しました。そして、2020年に看護師特定行為研修(術中麻酔管理パッケージ)を受講し、2021年に研修を修了し、現在は手術部で勤務しています。
患者さんは何かしらの疾患、障害を抱えて入院生活を送っています。その中でも呼吸はQOLと密接に関わっており、「息が苦しい」「呼吸がつらい」という症状はかなり苦痛が強くQOLを大きく下げてしまう原因でもあります。日々、患者さんの看護を行っている中でこの「呼吸困難」の症状を少しでも緩和、改善できないかと悩んでいました。しかし自己学習だけでは限界があります。また、最適なケアが継続されていく必要があり、そのケアが院内全体へと広がっていかなければいけません。
そのためには実践・指導・相談の役割を持つ認定看護師として活動することが
効果的であると考え、教育課程へと進もうと思い受講しました。
また特定行為研修では、病態判断、臨床推論からこれまで以上に深く患者さんをアセスメントできるように、そして、人工呼吸器の設定変更などの特定行為がタイムリーに実践できることで患者さんの利益になると考え受講しました。
認定看護師受講に関しては約半年間出張として扱われ、受講料の一部も補助していただきました。特定行為研修においても、週1日、出張として研修に時間を使うことができ、受講料の一部を補助していただきました。
認定看護師に求められていることは、臨床での高度な実践だと考えます。現場での困難事例などでは積極的に関わり、患者さん、スタッフがともに幸せになれるように介入できたらと考えています。また、医療、看護も日進月歩で進んでおり、資格取得後も常に学びの姿勢は崩さないようにしています。
東大病院では様々なスキルを持った看護師たちが数多く働いています。お互いに刺激しあいながら看護の質を高めています。そして入職後は様々なことにチャレンジできる環境が整っています。ぜひ、私たちと一緒にチャレンジしてくれる仲間たちをお待ちしています。
私立大学の附属病院で勤務した後、2000年に東大病院に就職しました。4年後、視野を広げたいと東大病院に勤務しながら夜間や休日を利用し一般大学に進学しました。その後2015年に大学院に入学し、2017年にがん看護専門看護師の資格を取得しました。
臨床では検査、治療期、終末期など様々な状況にある患者さんとその家族に出会いました。そのようななかで、自分は患者さんや家族の思いに寄り添う看護ができているのだろうか、自分の関心だけで看護を提供してはいないだろうか、と自分の力不足と看護に限界を感じるようになりました。この先も看護師を続けていくために一旦臨床を離れ、もう一度看護を学んでみたいという思いに至り、大学院への進学を考えました。そして大学院の教員の勧めや大学院で学ぶなかで専門看護師になりたいという思いを強くしました。
私の場合、大学と大学院への進学のそれぞれにおいて看護部には大変ご配慮いただきました。特に大学院進学時には休職というかたちをとらせていただき、在学中は勉学に集中することができ、修了後の職場での役割について考えることにも繋がりました。なによりも戻れる場所がある、というのは大きな心の支えにもなり、安心感を与えてくれました。大学院進学はすべて自費になりますが、奨学金の案内などのサポートもいただきました。
大学院を修了し、資格を取得したからといって、できることが増えるわけではありません。目の前の患者さんに向き合い、対話することで患者さんの思いをその状況においてどのように活かすことができるか、を考えることを心がけています。
東大病院には多くのスペシャリストが勤務しています。同じ領域の先輩や同期との語り合いは私の実践のエネルギーの源になっています。また、他の領域のスペシャリストの方々との交流やその活動に触れることは、自分の視点や活動を見直すきっかけにもなり、大きな刺激となっています。そして看護の質を高め合える仲間と同じ組織にいるということも大きな誇りです。
看護を取り巻く環境は日々変化しています。不安もあると思いますが、臨床に出てみれば一緒に悩んだり、考え学んだり、喜んだりして支え合える仲間との出会いが待っています。そして学び続けられる環境が東大病院にはあります。
看護の仕事を選び、東大病院を選んでくれたみなさんと一緒に働くことができるのを楽しみにしています。
看護学部を卒業後、助産師として他施設で経験を積み、2009年東大病院に入職しました。
入職後はGCU(Growing Care Unit;新生児回復期治療室)配属となり、2010年よりNICU(Neonatal Intensive Care Unit;新生児特定集中治療室)で勤務しています。
2015年に新生児集中ケア認定看護師教育課程を受講し、2016年に資格を取得しました。
現在もNICUで勤務しています。
助産師や東大病院のGCU/NICUでの臨床経験の中で、出生直後より救命が必要な赤ちゃんに多く出会いました。その経験の中で、赤ちゃんを救命する技術を向上させるとともに、救命の先にあるNICU看護の重要性を感じました。具体的には、出生時から始まる成長発達支援、ファミリーセンタードケア、精いっぱい生きた赤ちゃんと家族へのグリーフケア等で、赤ちゃんと家族に優しいケアとはどのような看護なのかを探求するため、認定取得に挑戦しました。
認定看護師教育課程の受講前に、看護部長から「等身大の自分で良いのよ!」という言葉をいただき、とても支えになりました。また、受講は出張(勤務)として扱われ、受講料(一部)の補助制度もあるなど、病院や看護部のサポート体制が非常に心強かったです。
ただ、受講には、受講料以外にもいろいろと費用がかかりますので、経済的な基盤を構築してから受講することをおすすめします。
資格取得はゴールでなく、スタートであると考えています。
『赤ちゃんと家族に優しいケアを探究する』という資格取得の目的を忘れず、学習内容を臨床でのケアに繋げられるよう心掛けています。
加えて、日々NICUに関わる仲間と共に「赤ちゃんと家族に優しいケア」とは何かを考え、話し合いながら看護実践を行うようにしています。
また、東大病院には多くのスペシャリスト(専門看護師、認定看護師、院内認定看護師、移植コーディネーターなど)が勤務しており、スペシャリストとしての自覚や誇り、看護の質を高めたいという強い想いを持った同僚や先輩方と語り合うことができます。その語り合いを通じて、自分自身の看護の視点を見直すきっかけになり、他の専門的な知識を得ることで思考が広がり、向上心を持ち続けることができます。
入職後も、不安や悩みは尽きないですが、それ以上に嬉しいことも経験します。
東大病院には一緒に学び合い、支い合える仲間との出会いや、学び続けられる環境があります。看護の仕事を選び、東大病院を選んでくれたみなさんと、一緒に働けることを楽しみにしています。