臓器移植に関する報道について
2024年1月10日
元日の読売新聞で、当院で2023年に35件の臓器移植を断ったことが報道されました。病院の体制や看護体制が不十分であったために、救えるはずの命が救えなかったのではないかと、当院へのご批判もあるかと思います。
ただ、2023年に当院で実施した脳死下の臓器移植は心臓25件(2022年度18件)、肺41件(同27件)、肝臓22件(同12件)の計88件で、2022年計57件の1.54倍に上ります。生体での肺・肝臓・腎臓移植も数多く実施しています。前年度の1.54倍という脳死下臓器移植件数は、一人ひとりのスタッフの懸命な努力により実現したものであり、病院としても診療報酬上の配置基準を大幅に超える人員を配置し、臓器移植に対応する努力を続けています。このことはぜひご理解ください。
臓器移植でしか救えない命を救うために、ドナーとその家族の意思を大切に次の命につなげるために、看護部としても引き続き体制の強化に努めます。しかし、ドナーの増加に対応するには、わが国の臓器移植実施施設が増える必要があります。当院で臓器移植に対応できる看護師をしっかりと育成し、他施設に輩出したり教育的役割を担ったりすることが、わが国の臓器移植医療の充実につながると考えています。
ご理解とご支援をお願いいたします。
また、臓器移植に関わりたいという志を持つ看護師の皆さん、ぜひ一緒に働きましょう。
看護部長 武村雪絵